Dec 13, 2008

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 世界の強豪と日本のトップが激突するJRA秋競馬の大一番、第30回GIジャパンカップが28日、東京競馬場2400メートル芝で開催され、クリストフ・スミヨンが騎乗したGI5勝の1番人気ブエナビスタ(牝4=松田博厩舎、父スペシャルウィーク)が直線外から豪快に突き抜け快勝と思われたものの、2位入線した武豊騎乗の4番人気ローズキングダム(牡3=橋口厩舎、父キングカメハメハ)の走行を妨害したとして、まさかの2着降着。これにより、ローズキングダムがJC優勝となった。

 喜びを爆発させた歓喜のウイニングランから一転、敗者となってしまった女王。エスコートしたスミヨンも、この結果を予想していなかったに違いない。完全に脚色、勢いは他馬を上回っていたが、ゴール前最後の最後に落とし穴が待っていた。レーススタートから問題のシーンを、スミヨンはこう振り返った。
 「ゲートでややつまずいて後ろからになってしまいましたが、ブエナビスタの力を信じて乗りました。直線は自分の馬が伸びていったときに、内からも馬(ヴィクトワールピサ)が出てきて、空いたスペースに入っていこうとローズキングダムもいっしょに伸びていったので接触してしまったんだと思います。それを妨害と取られたのは残念でした」
 郷に入っては郷に従えとも言うので、と、この裁決を潔く受け入れたが、本心では100%納得できないだろう。ただ、「ブエナビスタの強さは見せられたと思います」と語ったように、レース内容のインパクトでは1馬身3/4差をつけたブエナビスタがローズキングダム以下を圧倒。結果は2着になったが、依然として『最強』の称号はこの五冠女王の頭上にある。
 順調ならば、次走は12月26日のグランプリ有馬記念。仕切り直しの決着戦で、改めて現役最強と年度代表馬の座を射止めるまでだ。

 なお、この走行妨害により、騎乗していたスミヨンは12月4日から12月12日まで開催4日間の騎乗停止。また、同じく最後の直線で外側に斜行してローズキングダムの進路に影響を与えた3着ヴィクトワールピサ騎乗の騎手マキシム・ギュイヨンには、過怠金1万0,000円。さらに、最後の直線コースで十分な間隔がないにも関わらず先行馬を内側から追い抜こうとしたシリュスデゼーグル騎乗の騎手フランク・ブロンデルには、過怠金10万0,000円がそれぞれ課せられた。

 また、JRA・GIレースにおける降着は、今年の天皇賞・秋で15位に入線したジャガーメイル(D・ホワイト騎乗)の18着降着以来で、今年は天皇賞・春、スプリンターズS、天皇賞・秋に続き4件目。
 GIレースの1位入線降着は、1991年の降着制度導入以降、91年天皇賞・秋メジロマックイーン(武豊騎乗)の18着降着、2006年エリザベス女王杯のカワカミプリンセス(本田優騎乗)の12着降着以来の3件目となった。
 なお、ブエナビスタは昨年のGI秋華賞でも、他馬への走行妨害により2位入線から3着に降着している(安藤勝己騎乗)。

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 「有馬記念・G1」(26日、中山)
 3年ぶりとなるファン投票1位馬の出走。今年の顔がそろったドリームレースで、大差の支持を集めたブエナビスタが期待に応え、2010年を締めくくる。22日に行われた栗東CWでの追い切りは鋭い反応を見せ、前走のジャパンCで2着降着の悔しさを晴らす準備は整った。今年はヴィクトリアマイルと天皇賞・秋のG1・2勝をマーク。新女王はさらなる進化を発揮し、強烈な輝きを放つ。
  ◇  ◇
 ファンの夢を乗せ、女王が暮れの中山を彩る。栗東CWに有馬記念の特殊調教ゼッケンを着用したブエナビスタが姿を現すと、周囲はざわめき、その動きに注目が集まった。単走での追い切りは序盤から力みが感じられず、ゆったりしたフォームで4角にさしかかる。直線は緩やかにギアチェンジを行い、1F標では鞍上のゴーサインに即座に反応。雨を含んだウッドチップをがっちりととらえ、鋭くゴールへと駆け抜けた。
 時計は6F86秒5‐39秒3‐11秒6。しまいを重点に伸ばす、普段と変わらない調整に「指示通りだが、うまく乗ってくれたと思う」と松田博師に笑みがこぼれる。秋3走目となるが「アップはないが、平行線はたどっている。有馬記念がどうのこうのじゃなくて、いつもの走り。馬体減りがなく、調教ができているし、現時点では文句ない」とうなずいた。
 師を取材するうえで幾度となく耳にするのが「時計は関係ない」の言葉だろう。運動量の多さは有名。この中間も負荷を十分にかけ、毛ヅヤの良さ、トモの丸みが好調を裏付ける。疲れが抜けなかった今春のドバイ遠征後を「一番悪い状態だった」と振り返るが、ヴィクトリアマイルをV、宝塚記念で2着と陣営の心配をよそに崩れることはなかった。日ごろの鍛錬がこの馬の強さの源となっている。
 秋初戦の天皇賞・秋では度肝を抜くパフォーマンスで初の牡馬混合G1を勝利。だが、前走のジャパンCでは1位入線も約24分に及ぶ長い審議の末、ローズキングダムの進路を妨害したとして2着降着の処分に。「前回は…」と言葉を濁したが「今回勝ってくれればいい。すっきりとしたい」と昨年2着に敗れた舞台に気持ちを切り替える。
 それはファンも同じ。11万を超える票で、宝塚記念に続く、ファン投票1位に支持した。得票率の72・5%は08年のウオッカの69・0%を抜き、歴代牝馬最高の記録だ。「あとはスミヨンに任せるだけ。無事に走ってくれば結果は出してくれると思う。1位に選んでもらって応えられるように頑張りたい」。デビュー以来、15戦連続で1番人気(JRA競走に限る)はテイエムオペラオーに並ぶ1番人気最多タイ記録。日本競馬史上、最も信頼される牝馬が、最強の女王伝説を刻む。

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